AI以前にクラウドで仕事がなくなる話

AIに仕事が奪われる論争

オズボーンリストが出た当りから、「AIに人間の仕事が奪われる」と騒がれています。

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000186905.pdf

 一方で、AIが付加価値の低い作業をやってくれるため、人間がより付加価値の高い仕事に従事することができ、AIと人間の仕事の棲み分けが行われる。と言った意見もあったりします。この辺の本などで語られています。 

10年後の仕事図鑑 堀江 貴文 / 落合 陽一

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その前にクラウド化で仕事が奪われている

しかし、実際の現場で見た限りではクラウドで人間の仕事が無くなっています

正確には、「オンプレミスシステムのクラウド移行に伴い業務フローが見直され、従来必要とされていた仕事が不要になっている。」です。
 

私も仕事でシステム開発を行い納品していますが、その後も機能を追加を行うことが多く、あるクライアントでは3ヶ月に一つペースで新しい機能を追加・リリースしています。

その際に起こることが「この機能が完成すると、この人の仕事が不要になる」現象です。
そして、実際に3ヶ月に一人ずつぐらいのペースでフロアから人がいなくなっていくのを目の当たりにすると、ちょっと怖い感じがします。
 

ただし不要になる仕事と言っても、

  • 台帳なるものに手書きで記録をして、それをExcelに入力して集計したものを、回覧して上長のハンコをもらう仕事
  • 入金予定リストを作成して実際に銀行から送られてくる入金リストのFAXと突合して消込を行う仕事
  • タイムカードの集計を社員の勤務形態ごとに異なる出退勤時間から残業時間を計算し、紙で出された休暇申請などと合わせて給与計算

などなので、仕事を奪ったか?と問われると微妙なところです。

 

中小企業のシステムの現状

オンプレミスシステムのクラウド移行は、自社にサーバを置いて運用するリスク、コスト、セキュリティ、またハードウェアの物理的寿命、OSのライフサイクル、システム構成のスケーラビリティなど様々な角度から考えても、メリットは大きいと思います。

 

ちょうど、オンプレミスのシステムのハードの保守が切れ代替の部品がない(本当か?)、OSのサポートが切れる、などの理由で「新しいオンプレミスのシステムに移行しましょう」と提案されている中小企業が私の知る限りでも結構あります。

 

タイミング的には、オンプレミスのシステムをクラウドに移行し業務フローを見直す良い機会なのですが、悲しいことに、大手ベンダーは大企業から対応していきます。そして、中小企業は中々相手にしてもらえず、悲しいかな新しいオンプレミスに移行するパターンもあったりします。往々にして、その際には既存の仕様の踏襲がファーストプライオリティになり、業務フローの改善までは至らない事が多いのが現状です。

 

今はモラトリアム期間

とは言いつつ流石に、もう一サイクル回ればオンプレミスのシステムもゼロにはならないでしょうが、ここ数年でクラウドの業務システムが充実してきて、指数関数的に減少していくでしょう。

そうなった際には、AWS、Azure、GCPというクラウドコンピューティングサービスのインフラをバックに持つでしょうからAIも何かしらの形で入ってくると考えられます。

 

そういった意味でここ3・4年ぐらいは、

  • 経営者目線では、如何に業務を効率化するか
  • 社員目線では、如何に付加価値の高い人間にしかできない仕事ができるか

を考えるモラトリアム期間だと思う次第です。

 

実際には経営者も社員も、もっと速いスピードでドラスティックに進むのが理想ですし、そうあるべきですが私が肌感覚で感じている現状のお話でした。

 

と言う訳で、AIやIoT人材も去ることながら、インフラではなく、実際の企業の業務にクラウドシステムを導入できる人材が取り敢えず現状は必要なのではないかと思います。